Make School2年プログラム(Product College)には現在、筆者を含め2人の日本人が在籍している。筆者のバックグラウンドは日本の理系大学院卒・社会人経験有り、もう1人は日本の高校卒業後、アメリカのアイビーリーグのコンピュータサイエンスに2年間在籍、現在は休学してMake Schoolに参加、だ。ベイエリアのスタートアップで働く、起業する、プロダクト開発のスキルを習得するうえでMake Schoolはとても良い選択肢だと思っているので、来年度の第三期以降も日本人の入学者が出ればと思い、日本からもらう相談を受けている。過去に受けた質問とその回答が役に立つかもしれないので、整理して紹介しておく。(ちなみに、筆者は海外への学位留学肯定派だ。若くて目的意識もまだハッキリしていないのであれば、留学後の労働ビザ取得の容易性も含めてMake School以外の選択肢の検討もお勧めする。アメリカの学位が無い場合の就労ビザ取得については後日書く予定。)

「迷っているがどうすればいいか。チャンスはあるか。」と聞かれるが、基本的には「門戸は開かれているのでチャレンジすべき。但しリスク・難易度は低くないので、目的設定を行い、戦略を練るべき。」と答えている。

入学制限はあるのか?

高卒資格が必要という以外に、入学制限は特に無い。(中には、優秀なので例外的に高校在籍中に入学を認められている学生もいる)。GPAのスコアも求められない。大学1~3年に相当する年齢の学生が多いが、筆者のように既卒・社会人経験有り、という学生もおり、少数派だが30歳を越えた参加者もいるので年齢の上限も無い。

英語力はどの程度必要か?

当然授業は英語のみになるので、英語に自信が無い場合は入学までに鍛えておいたほうが良いだろう。自分の場合は5年以上前に受けたテストスコアでTOEIC900点以上、TOEFL100点前後という状況で一般的なアメリカの大学への学位留学の水準は満たしている程度だった(もしかすると、中にはちょっとハードルが高いように思う方もいるかもしれないが、結局スコアが高くても喋れないのでそれほど気にすることはないと思う。アメリカに来て、日本人の全くいない環境にいれば喋れるようになる)。英語もプログラミング言語も両方学べて一石二鳥だと軽いノリだったが、実際不得手な言語(英語)で知らない言語(プログラミング)を学ぶというのは、当たり前だが大変だった。

特に英語のテストは無く、面接で会話できるレベルで問題ないと思う。もしそれすら自信がなければ、Summer Academyに参加したうえで、Make Schoolのスタッフ陣に「こいつは英語は今ひとつだが、実力ややる気はあるから2年コースで採用してみよう」と思ってもらうのが良いだろう。

周りのプログラミングスキルはどの程度か?

Product Collegeに入学する学生のスキルレベルはバラついているが、大雑把に言ってしまえば、半数はかなり高いレベル(少なくとも特定の言語では企業で即戦力として働けるレベル)、残りの半数は趣味でアプリ開発やウェブ開発をやったことはあるものの仕事では使ったことがないというレベルだと思う。後ろ半分の人たちも大半はSummer Academyを経てきているので、少なくとも一つは簡単なアプリを作ったことがあるくらいのレベル。入学者の中にはSummer Academyで初めてプログラミングに触れたという人もいるので、未経験でも2ヶ月ほどあれば入学できるレベルに達することができるはずだ。

入学試験は何をするのか?

アドミッションプロセスは、企業(特にIT系)での採用プロセスと全く同じと思ってもらえれば良く、書類面接と進む。毎期変更があるため全く同じではないと思うが、大きくは変わらないだろう。

書類は学歴・職歴に加えて、過去に作ったプロダクト、なぜそれを作ったか、過去に直面した最大のチャレンジとどうやってそれを乗り越えたかなどをWebのフォームに書いて提出した。以下のような質問があり、それぞれ300 wordsほどで答えるというものだった。

  • Why do you want to join Make School?
  • Tell us about your programming experience
  • What is the most impressive thing you have accomplished?
  • Tell us about a product or project you’ve previously built
  • What do you hope to accomplish in the future?
  • Describe a time you felt a need to change your behavior. What inspired you to change?
  • Describe a time you had a strong disagreement with a friend or family member. How did you communicate your point of view?
  • Describe something you do for your community or the benefit of others. What inspires you to do this?
  • Describe the greatest challenge or adversity you’ve faced. How did you overcome it?

面接は3種類あり、

(1)Non-techインタビュー:志望理由や過去のチャレンジなど
(2)Problem Solvingインタビュー:パズルやフェルミ推定など問題解決系のインタビュー
(3)コーディングインタビュー

があった。他の学生に聞く限り、面接回数は学生のレベルや過去の経験によって違うようで、自分はプロフェッショナルとしてのコーディング経験が乏しかった分(3)よりも(2)に重きが置かれ、ポテンシャルを見られていたと後で採用を担当したスタッフから聞かされた。

なお、これまでブログで書いてきているように、「直接応募ルート」よりも「Summer Academy経由ルート」のほうがお勧めなのは、こうした面接の過程がSummer Academy2ヶ月間で置き換えられているためだ。内輪の話だが、Summer Academyのインストラクターは優秀な受講者をProduct Collegeに送り込むことをミッションとして背負っている。プログラミング経験が乏しい、英語が苦手という場合でも、アイデアとハードワークでインストラクターからお墨付きをもらうことができれば、合格を勝ち取ることができるだろう。

次期募集はいつからやっているのか?

募集は通年で行っているのでMake Schoolのホームページから適宜応募する。

日本のコーディングブートキャンプかMake Schoolか?

非エンジニアからの単なるキャリアチェンジだけを考えるのであれば、言語バリアのない日本でコーディングブートキャンプに行ったのち、日本で転職or社内転籍を行うほうが成功までの道のりは近いかもしれない。逆に、米国での就職・転職まで視野に入れているのであれば、Make Schoolは取っても悪く無いリスクだと思っている。Make Schoolの2年間で得られるスキル・ネットワークは非常に価値があると感じており、特にY Combinatorの卒業生であることのネットワークは強力で、Demo Dayや日々のメンタリング、ゲストレクチャーや企業訪問などの機会を通じて様々なスタートアップと繋がりが持てること、また、スタッフが学生の就職サポートに親身であることは、他のブートキャンプやコミュニティ・カレッジとは有意な違いがあるし、アメリカの大学院とも引けをとらないと思う。

非エンジニア職@日本からエンジニア職@アメリカを目指す場合は?

Make SchoolGREEと提携するなど日本の企業とも関係があるので、卒業後日本に戻ってエンジニアをすることは難しくないと思うが、単純に1~2年間は学生=無給になるので、日本でエンジニアのヒヨッコとして働きながらキャリアチェンジするよりは時間・お金的にややマイナスな面があるかもしれない。

米国まで興味に含まれるとした場合に、いかにMake Schoolの合格を勝ち取りつつ、その後米国で就職するかということになるが、まずMake School期間中のインターンシップや卒業後の米国での就業を考えた場合、国内の非エンジニア職というのはキャリア形成上全く価値が無い。なので、可能であれば現在の仕事も、社内制度の利用などでできるだけエンジニア(又はそれに近い仕事=例えばビジネスアナリシスなど)職に寄せていき、少しでもレジュメに書ける・語れる内容を増やしておくのが良いと思う。

悩んでいる人がいればお気軽にご連絡ください。

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