前回の記事に引き続き、2016年のサンフランシスコのSummer Academyのレポートをお届けしたい。今回は世界発のVRコースとして、Make SchoolとUploadVR(VRの情報メディア、コワーキングスペース)の共同開催であったVR Trackに参加していた渡辺賢さん(GREE)の体験記だ。

全体のスケジュール

  • 1週目:Unityのチュートリアル
  • 2-3週目:VRのチュートリアル
  • 4週目:3人チームで小さめのプロジェクトの作成
  • 5-8週目:自分のプロジェクト開発

チュートリアルや講義の内容

チュートリアル

  • ライフゲーム
  • ブロック崩し
  • 宝石集めゲーム
  • 転がしゲーム
  • キャンプファイヤ(VR)
  • マテリアルについて(VR)
  • ボーリング(VR)
  • 弾丸ゲーム(VR)
  • ボール投げゲーム(VR)
  • テレポーテーション(VR)
  • シューティングゲーム(VR)
  • 戦車ゲーム(VR)

講義

  • UnityVectorやよく使う型、クラス
  • UnityでのC#
  • UnityMaterialTexture
  • Unityのシェーダー
  • Unityの最適化
  • VR酔い
  • 開発の心得
  • Unityのベストプラクティスなアーキテクチャ
  • Project Management
  • VRの入力デバイスと開発について
  • Unityを使った分析

(筆者注:今後、Make SchoolのGithub上でチュートリアルを公開予定)

講師のプロフィール、教え方など印象

3名の講師を紹介する。

Zachary Barryte

過去にもMakeschoolで働いていて非常に熱心。生徒が頑張ることを全力でバックアップしてくれました。具体的には、土日にMakeschoolに来て、他の人も作業できるようにしたり、最後の追い上げ期は夜1時まで残っていてくれました。

Benjamin Taller

Upload VRから派遣された講師。元ZyngaVRの結構な規模のイベントのパネルスピーカーを務めています。教えることが好きというよりは、高度な技術が大好きという感じで、興味深い質問だと乗り気で答えてくれるが、つまらない質問だと雑な答えをする時もありました。

Sky Nite

Upload VRから派遣された講師。もとからVRの開発に精通しており、「Virtual Reality Insider」という本の著者としても知られています。基本的にSkyから声をかけられることは少なかったですが、質問や要望を出すと一生懸命答えてくれました。モーションの作成について困っていたところ、モーションキャプチャーのデバイスを貸してくれたり、演出の相談などもいろいろ乗ってくれたりしました。

ゲストスピーカーのプロフィール

  • Barry Pousman(CEO of Variable Lab)
  • Hayden Lee(Co-Founder of BigScreen)
  • John Ballentine(Engeneer of Boost VC)
  • Adam Gross (CEO of Heroku)
  • Philip Rosedale(Founder of Second Life)
  • Danielle Feinberg(Director of Pixar)

参加者のプロフィール

20歳から50歳ぐらいの年齢幅で、平均して30歳弱くらいだったと思います。他のコース(Intro、App、Game)に比べて年齢層は高かったです。参加者は

  • 大学生
  • コンサルティング会社(McKinsey)出身の人
  • もともとVRに関するスタートアップをやっていた人
  • ハードウェア系の会社を辞めてきた人
  • オーストラリアから夫婦で一緒に参加している人

などです。

今回のVR Track参加メンバー内でチームを結成して起業したり、元から参加者の一人が立ち上げていた会社にジョインする人がいたりと、VR Trackという研修での出会いで今後の働き方を決めている人も多くいて、その出会いだけでもすごく価値がある研修だったと思います。

作成されたアプリ

Death Dojo(予告動画)というVRゲームを作りました。侍になりきって、VRの空間で敵の侍の首を切り落とすという、ちょっぴりヴァイオレンスなゲームを作成しました。

他の参加者が作ったゲームとしては

  • インタラクティブシネマ
  • トロンのバイクゲーム
  • VR空間で塗り絵ができるゲーム
  • 脱出ゲーム
  • 炭鉱夫となって洞窟を進むゲーム
  • PCの中を探検するゲーム

がありました。なお、VR Trackの参加者のゲームの詳細については、UploadVRのホームページに公開されています

感想

MakeschoolSummer Academyに参加するのは実はこれで2回目です。去年はSunnyvaleGame Trackに参加していました。

VR Trackは参加要件に2年以上の開発経験が必要なこともあり、VRの仕事を探しているような社会人がほとんどでした。他のTrackは近場の学生が主な参加者なため少し緩い空気もありますが、VR Trackはバックグラウンドが全然違う人ばかりで研修に対する意識がとても高いです。講師もUploadVRから来たVRの開発に詳しい人なため、参加者と講師のレベルが非常に高いのがVR Trackの特徴です。

また、コース内容についてはUnityのチュートリアルが4つ、VRのチュートリアルが8つとチュートリアルは非常に充実しています。そして何より強調したいのが、VRの開発は今まで開発してきた言語やフレームワークの中でダントツに楽しいです。数分で終わるHello World的なチュートリアルですら感動を覚えます。HTC ViveというVRのデバイスを初めて使った時から、VRで何かを作ってみたいと思っていたので今回の研修で開発する日々は本当に幸せでした。

また、VR TrackMakeschoolの最終日とは別にVR業界の人たちが集まる場でデモをさせてくれたりとかなりの高待遇です。本気でVRの仕事をしたい人への第一歩としては、技術的にも人脈的にも優れたプログラムだと思います。

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