来週からMake SchoolのSummer Academyが始まる。この2週間は世界中からインストラクターが集まり、研修と準備に明け暮れた。日本からも2名のインストラクターが来てくれている。日本では3週間のコースのみの実施になるため、開始は7月からだ。まだまだ日本では知名度が低いため、今週はファウンダーのJeremyが自ら東京近辺の高校に出向いて説明会を開催している。先日は日本のエデュテックメディアにも取り上げられたので興味のある人は確認してほしい。

今日は久しぶりにMake Schoolについて書いてみたい。これまではProduct AcademyのカリキュラムSummer Academyの内容が中心だったが、その裏側がどうなっているのか、組織とそれぞれの役割・注力領域について紹介する。

Make Schoolの組織

2016年6月現在のMake Schoolの社員数は21人。2014年時点で8人だった頃から約3倍に増えている。現在の全社方針は学生のエクスペリエンス向上、学生数目標の達成、収益性向上の3つだ。

現在の組織はプロダクトと機能が混じった形で5つに分かれている。ファウンダーのJeremyとAshuはCo-CEOとして主にJeremyがSpecial Opsを、Ashuがそれ以外を管轄している。

Product Academy

Product Academyチームが注力するのは学生のエクスペリエンス、学生の成果(学生が作ったプロダクトの成功、インターン・就職実績)、学生数目標の達成だ。学生のエクスペリエンス向上のために、現在はカリキュラムの改善を行っている。製品のプロデューサーとしての資質を磨くための問題発見やデザインシンキングに関する講義の拡充のほか、各セメスターの講義フェーズのウェブ教材の改善を行い、学生のレベルに応じたチャレンジを与えられるように再構築を行っているところだ。また、個人的に来学期から楽しみなのは、Sam AltmanやEron Muskなどの著名な起業家が支持しているOpenAIによるAIのクラスとプロジェクトが予定されていることだ。

2016年9月から始まる第2期の学生は既に24名が入学を許可されており、また、180名が条件付き合格となっている。条件付き合格者はSummer Academyの成果によって最終的な合否判定がなされる。第2期生は60名の入学が想定されているため、厳しい競争になりそうだ。

チームリーダーはシリアルアントレプレナーで過去にはGeneral Assemblyで講師も務めていた人物だ。他にも過去にLeap MotionやTwilioで働いていたエンジニア、IoTのシリアルアントレプレナーなどがいる。

Summer Academy

Summer Academyチームが注力するのは学生のエクスペリエンス、学生数目標の達成、売上増加だ。出世払いのProduct Academyはまだ収益源にならないため、売上増加が期待されている。生徒の多くは口コミで獲得しているが、最近ではダイバーシティ向上のためにGirls Who Codeなど各種団体と提携して奨学金を出したり、年間30件以上のハッカソンを主催したりとマーケティングを熱心に行っている。今年の応募は世界中から5000名ほどあり、700名程度が参加を許可されている。また、今後初心者コース向けにはWWDCで発表のあったSwift Playgroundへの対応を図っていく予定だ。

チームリーダーはファウンダーのJeremyとAshuの古くからの友人で創業初期メンバーである人物だ。他にも、MIT出身のエンジニアや、元高校教師のメンバーなどがいる。

Engineering

ベイエリアのスタートアップならではの特徴が出ているのがEngineeringチームだ。このチームのミッションは入学手続き、マーケティング、インストラクターの活動に掛かる手間・コストの削減であり、これらを簡略化・自動化する社内ツールを内製している。具体的な取り組みの例を挙げると、昨年までは全て手動で一対一のインタビューを設定していたところから、今年からは全てPC・スマートフォンのカメラから録画するTOEFLのテストのような形式になっている。現在は全て人の目で応募書類を確認しているが、いずれはAIの活用なども進んでくるのかもしれない。他にもオンラインコースの提供や、ウェブサイトの改善なども行っている。

チームリーダーはウェブ業界で30年の経験を持つエンジニアで、チームはウェブエンジニアを中心に構成されている。

BD and Ops

BDチームが取り組むのはMake School従業員の満足度と生産性の向上、収益性向上、ブランド強化だ。Summer Academyチームの説明にあったNPOとの提携や、コーポレートパートナーシップ、ゲスト講師の調整などを行っている。以前紹介したホワイトハウスとのプロジェクトにあったように行政との連携も行っており、今年のSummer AcademyもワシントンDC開催のものはホワイトハウスのすぐ近くの会場を押させることができた。UNCFともパートナーになり一部の学生には奨学金を出していく予定だ。

チームリーダーは90年代からYahooでプロダクトマネジャーを務め、Craigslistでも働いていた非常にネットワークの広い人物だ。昨年秋にチームにジョインして以来、大きな提携の話が相次いでいる。

Special Ops

Special Opsチームはその時点でMake Schoolの成長にとって重要な任務を行うために編成されており、Jeremyが自ら率いている。現在の注力は海外展開、大学認可の獲得、新規事業の3つだ。海外展開については以前の記事に纏めているが、今年は更にロンドンでの開催も決まった。

大学認可の獲得については、BPPE (Bureau for Private Postsecondary Education)と話を進めている。Make Schoolが掲げる”Product University”というカテゴリの確立のためライセンスの取得を行っているところだ。政府機関との交渉は時間がかかってしまうが、学位が出るようになればより学生にも選択しやすくなるだろうし、海外の学生は卒業後働きやすくなるので、是非達成したいと思っている。

Make Schoolのスピーディな事業展開を支える組織と役割、運営方針について紹介した。スタートアップと学校の両面を併せ持つMake School。今後も機動的で、テクノロジードリブンであることにより、組織としても新たな学校の形態を切り拓いていくことになるだろう。

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