二度目のDemo Nightが終わり、2ndセメスターを終えるまであと1ヶ月となった。来月から年末まではインターンシップ期間となり、学生は各々スタートアップでのサマーインターン、オータムインターンを行うことになる。この1ヶ月は、Demo Nightで発表したプロダクトのリリースに向けた開発、インターンシップのインタビュー対策、オープンソースソフトウェアの開発がカリキュラムの中心になる。筆者自身も、Demo Nightの翌日から数社とサマーインターンシップ又はフルタイムでの雇用に向けて、インタビューや対面でのインタビューの前に与えられるアサインメントの提出に追われている。

Product Academy (2-year program)の学生がインターンシップを行っている間、Make SchoolではSummer Academyが行われる。Summer Academyは2012年から行われている実績あるプログラムで、近年は日本からの参加も見られるようになった。日本語では2014年参加者の高橋麻衣さんのインタビューがTHE BRIDGEに掲載されているのだが、昨年、今年と内容が2014年時点のものとは変わっているため、2016年5月時点での最新のSummer Academyの情報を纏めておきたい。

Summer Academyとは

Summer Academyは4〜8週間という短期間で、プロダクト開発に必要な知識・スキルの獲得と、参加者オリジナルのプロダクト開発を行うプログラムだ。Product Academyが4年制大学の代替を掲げているのに対して、こちらは所謂コーディングブートキャンプに近い。ユニークなのは、Make Schoolのモットーである”Design, code and ship”の通り、参加者はプログラミングのみならず、ユーザリサーチやUI/UXデザイン、マーケティング、リリース後のアナリティクスまで学ぶことができ、「プロダクトオーナー(≒ファウンダー)」としての経験を積むことができることだ。最終日にはProduct Academyと同様Demo Dayが開催され、多くの参加者に自分のプロダクトのデモを行う機会が得られる。参加者は高校生、大学生が多いが、中には現役のエンジニアも混じっている。実施中の雰囲気は以下のビデオやFacebookページのアルバムを見てもらうのが分かりやすいだろう。期間中は数回外部からのゲスト講義が用意されており、過去はY CombinatorのSam Altman、RedditのAlexis Ohanianなどが訪れた。Summer Academyの過去の参加者がMITやHarvardのような有名大学に合格したり、GoogleやFacebookに就職したりと実績が出始めているため、数あるブートキャンプの中でも推薦されることが多い

コースの内容:Intro, Game, App, VR

2014年からの大きな変更はコースが増えたことだ。2014年時点はゲーム開発コースの一択のみだったところから、2016年のSummer AcademyではIntro Track、Game Track、App Track、VR Trackの4コースに拡大することになった。ちなみに2015年はGame TrackとApp Trackの2コースだったので、今年は超初心者向けのコースとVRコースが追加された格好だ。

  • Intro Track
    • 内容:前半にプログラミングの基礎を学び、後半にiPhoneゲームのクローンを作成する
    • 言語:Swift
    • 期間:4週間(6/20~7/15、又は、7/18~8/12)
    • 料金:$4,000
  • Game Track
    • 内容:前半にFlappy BirdとAngry Birdsのクローンを行い、後半にオリジナルのゲームを作る
    • 言語:Swift (SpriteBuilder, Cocos2D)
    • 期間:8週間(6/20~8/13: 最終日8/13はDemo Day)
    • 料金:$7,000
  • App Track
    • 内容:前半にメモ帳とInstagramのクローンを行い、後半にオリジナルのアプリを作る
    • 言語:Swift (Xcode)
    • 期間:8週間(6/20~8/13: 最終日8/13はDemo Day)
    • 料金:$7,000
  • VR Track
    • 内容:VRメディアであるUploadVR社と共同開催。2年以上経験のあるエンジニアを対象に、Unityなどから招かれたインストラクターのもと、デスクトップ・モバイルのVRアプリを作る
    • 期間:8週間(6/20~8/13: 最終日8/13はDemo Day)
    • 料金:$10,000

なお、選考時の成績や家庭の収入などに応じて奨学金を得ることが可能であり、実際昨年は40%の学生が奨学金を受けて参加していた。(あと、去年はGame Track, App trackともに$6,000だったので値上がりしてしまっているようだ・・・)

コースの進め方

上記のようにプログラムの前半は必要なスキルの獲得が中心となるため、講義型のクラスが多い。大部屋で講義のビデオを視聴し、インストラクターが補足し質問に答えるというスタイルだ。それ以外の時間は、オンライン上に用意されたチュートリアルのコースを順に辿っていくことで、既存プロダクトのクローンを行いながら必要なスキルを獲得する。なお、過去の講義のビデオはMake SchoolのYoutubeページで公開されており、誰でも視聴することが可能だ。

チュートリアルを進めていくなかで分からないことがあるときは10人に1人の割合で配置されているインストラクターに挙手して質問する。同じ質問が多く発生した場合にはインストラクターが希望者向けに補修の講義を行うこともある。初心者の場合はそもそもどうやって分からないことを調べたらよいかも分からないことがあるので、躓いたときにすぐ聞ける対面学習の環境というのは良いと思う。

プログラム後半戦のオリジナルアプリ作成においては、利用する技術も違ってくることからよりインストラクターとのメンタリングベースでの学習が中心になってくる。勿論、作りたいアプリがなかなか決まらないときにアイデア出しに付き合ってもらうことも可能だ。

インストラクター

インストラクターは企業で働いていたが丁度転職活動中といったステータスのエンジニアか、就職前の大学生・大学院生だ。大学生・大学院生といっても各々スキルレベルは高く、皆GoogleやTesla、Lyftなどの内定者という折り紙つきだ。彼らはSummer Academy開講の前にサンフランシスコのMake Schoolヘッドクォーターにおける1周間半の研修を受けており、可能な限りインストラクターによる提供サービスの質の違いが発生しないように配慮されている。

生活費・住居

開催地域によるが、サンフランシスコでは8週間の参加で住居費$2,000、食費$1,000、交通費$200の計$3,200程度が相場だと言われている。住居については各自探すことになるが、Make Schoolの紹介を受けてシェアハウスに住むことも可能だ。昨年は丁度開校前だったMinerva SchoolsのドミトリーをMake Schoolが借りていたので、そこに住む参加者が多かったようだ。

開催地域

サンフランシスコ、サニーベール(シリコンバレー)、ニューヨークシティ、シンガポール、台北、東京は確定している。その他、ロサンゼルス、シカゴ、シアトル、ボストン、フィラデルフィア、サンタバーバラ、ロンドン、ウォータールーでの開催も検討中で、参加者の応募状況により決定される見通しだ。応募者は応募の際に、自分の参加したい地域を選ぶことができる。

※2016年5月11日追記:ロサンゼルス、ワシントンDCでの開催も決定。

ダイバーシティ

Summer Academyの魅力の一つに世界各国から集まる参加者のネットワークが挙げられる。40カ国以上からの参加があり、開講中はオン・オフともに多くの交流の機会がある。日本人にとっては英語でのコミュニケーションの良いトレーニングになるのではないだろうか。

過去の参加者が作ったプロダクト

Make Schoolのホームページにはサクセスストーリーとして、過去のGame Track参加者のアプリが紹介されている。それ以外のアプリとしては、例えば下記のようなものがリリースされている。

Summer AcademyはProduct Academyへの近道

何度か書いている通り、Product Academyに興味のある方はSummer Academyへの参加をお勧めする。理由は、ファウンダーやスタッフ陣との直接のコミュニケーションを行えるので限られた時間のビデオインタビューよりも自分をアピールしやすいからであり、また、2年プログラムという大きな時間・金銭的投資に対するミスマッチ防止になるからだ。Product AcademyのFounding classのメンバーのおよそ3分の1はSummer Academyの経験者なので、6〜8月に時間のある方は是非参加してみてほしい。

参考資料

(お知らせ)Summer Academy in 東京 インストラクター若干名募集

前々回の記事で言及したように2016年からは海外でもSummer Academyを開講する。東京では上記4コースのうちIntro Trackのみを主に中高生対象に行う予定で、使用言語は英語とチャレンジングな内容だ。現在、米国から派遣されるインストラクターと共に日本で若干名インストラクターを募集しているので、興味がある人はこちらから詳細を確認してもらえたらと。サンフランシスコでの1.5週間の有給・往復航空券・住居込みという内容で、割のいいバイトだと思う。

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