今週からペアプログラミングによるRedditのクローンプロジェクトに入った。と言っても、このプロジェクトに専念している学生は全体の3分の1程度だ(筆者の場合は並行してROSやIoTに関わるプロジェクトも進めている)。年明けから予定通りにカリキュラムは進行してきていたが、過去二週間ほどMake Schoolのスタッフと学生の間でカリキュラム改善に関するディスカッションがあったため纏めておく。

これまで:チュートリアル・レクチャーベースでの指定言語・フレームワークの学習

これまではMake Schoolがパートナー企業などからのヒアリングも踏まえて設定した言語・フレームワークに関する学習を、Gap year programで効果検証したチュートリアルに沿って学習するスタイルであった。勿論、一定期間の学習の後にはDemo Dayに向けて各々が独自のプロダクトを作っていくことになるのだが、チュートリアルの学習期間における学生の満足度や出席率が低下してきており、スタッフ・学生双方からほぼ同じタイミングでディスカッションの要請があった。

ブートキャンプではない難しさ

Make Schoolの提供するブートキャンプ、Summer Academyに参加したことのある学生は口を揃えて如何に素晴らしい2ヶ月だったかを語っている。ブートキャンプのように短期集中で特定のスキル(Summer Academyの場合はSwift/Objective-Cによるアプリ又はゲーム開発)習得に絞っていれば、支払う金額に見合った内容かの判別がしやすく、参加する側も目的意識が明確になりやすい。また、学生のレベルもある程度揃うため、教材や講師の準備も容易になる。(なお、Summer AcademyのプログラムはMITやCMUで単位の取れる授業として導入されている。日本の大学関係者の方で導入を検討されたいという方は是非連絡を頂ければと思う)しかし、Make School2-year programにおいてはそれぞれの興味、スキルレベル、就職を希望する会社・職種は異なるため、準備されたチュートリアルに沿って進めていくスタイルは合わなかったようだ。

これから:メンタリングベースでの学生個人の興味・希望就職先や職種に基づく言語・フレームワークの学習

今後は学生からのフィードバックを踏まえ、学校が提供するカリキュラムの種類を増やし、学生の選択の幅を広げることになる。また、チュートリアルの学習期間においても個人プロジェクトの開始を認め、講師はプロジェクトのサポートを通じて学生のスキルアップに貢献していく。その際、特にプロジェクトの開始時には、計画するプロジェクトの成功にはどのような言語・フレームワークの選択が最適かという議論の機会を持たせることで、スキルアップが図れるように留意する。

肝は広く深い知見を持つ講師の確保とフィードバックサイクルの短縮化

証明されたチュートリアルに頼ることができず、また、学生の異質さを認めようということであるから、プログラムの成否は講師の質に大きく左右されることになる。昨年末からIoTについて深い知見を持つ講師が加わり、来週からはRubyのカンファレンスでの著名なエンジニアも加わるため、現状は採用活動が成功している。エンジニアとしてのチャレンジが乏しいのだが、Edutechへの関心の高まり、Make Schoolの知名度向上につれて未来のエンジニア・ファウンダーを育てたいという人も一定数存在するようだ。アメリカで成功しているTeach For Americaのように、Make Schoolでの講師の経験が今後のキャリア形成上大きなプラスになるようなシステム設計・ブランディングを強化していく必要があると思う。

また、カスタマイゼーションにより学生の進捗管理は難しくなるため、フィードバックサイクルを短くしていく必要もあるだろう。これまでにも全てのスタッフと学生が参加するAll hands meetingが不定期で開催されていたが、今後は週に一度の定期開催とすることになった。また、企業で働くことも想定し、Stand up meeting(いわゆる朝礼)も毎日行うことになった。

Product Universityへの挑戦

カスタマイズ化していくことにより講師への依存が高まりパッケージとしての完成度(=横展開のしやすさ)は低くなってしまうことは否めない。しかしながら、Founding classの運営を通じて仮説検証されたカリキュラムの数を増やし、教え方や講師の要件を明確化していくことで、プラットフォームとしての完成度を高めていくことは可能だろう。Make Schoolの掲げる「Product University」。このビジネスモデルが成立することを証明にはまだ試行錯誤が必要だと思うが、ソフトウェア開発の手法を応用することで、コンピュータサイエンスの教育改革をなんとか成功させていきたい。

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